頭のかたち外来を始めました

頭のかたち外来を始めました

「後頭部が平らになっている気がする」「左右の形が違うように見える」「向きぐせが気になる」など、お子さまの頭のかたちについて不安を感じる保護者の方は少なくありません。

生後間もない赤ちゃんの頭蓋骨はやわらかく、寝る姿勢や向きぐせなどの影響を受けやすいため、頭のかたちに変化が生じることがあります。多くは成長とともに目立ちにくくなる場合もありますが、中には適切な時期に評価や治療を行うことで改善が期待できるケースもあります。

当院の「赤ちゃんの頭のかたち外来」では、頭のゆがみや変形の状態を丁寧に確認し、お子さま一人ひとりに合わせた対応をご提案します。必要に応じて生活上のアドバイスやヘルメット治療についてもご案内し、保護者の皆さまが安心して治療を進められるようサポートいたします。

頭のゆがみとは?

赤ちゃんの頭は、大人とは異なり、複数の骨がまだ完全にはつながっていません。そのため、生後しばらくの間は頭蓋骨がやわらかく、外からの力を受けることで頭のかたちが変化しやすい特徴があります。

近年は、乳幼児突然死症候群(SIDS)の予防のために「あおむけ寝」が推奨されており、同じ方向を向いて寝る時間が長くなることで、後頭部の一部が平らになったり、左右差が生じたりする赤ちゃんが増えています。

頭のゆがみには3つのタイプがあります。

  • 斜頭症

    斜頭症

    頭を上から見たときに、左右どちらか一方の後頭部が平らになり、頭全体が斜めにゆがんで見える状態です。最も多くみられるタイプで、耳の位置や額のふくらみに左右差が生じることもあります。

  • 長頭症

    長頭症

    頭の横幅に比べて前後に長く見える状態です。早産のお子さまや、長期間同じ姿勢で寝ている場合などにみられることがあります。

  • 短頭症

    短頭症

    後頭部全体が平らになり、頭を上から見ると横幅が広く、前後に短い形になる状態です。長時間あおむけで過ごすことなどが原因となる場合があります。

気になる場合は早めのご相談を

頭のかたちは、生後数か月の間に大きく変化します。特に生後3〜6か月頃は頭蓋骨のやわらかさが残っており、適切な対応を始めやすい時期とされています。
「成長とともに治るかもしれない」と様子を見るケースもありますが、治療が必要かどうかは見た目だけでは判断できません。

当院では、お子さまの頭のかたちを丁寧に評価し、経過観察でよい場合、生活上の工夫が有効な場合、ヘルメット治療をご検討いただく場合など、それぞれの状態に応じたご提案をいたします。少しでも気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。

治療方法

経過観察

ゆがみが軽度であったり、月齢や成長の経過から自然な改善が期待できたりする場合には、定期的に頭のかたちを確認しながら経過を観察します。
赤ちゃんは寝返りやおすわり、はいはいなどができるようになるにつれて、頭の一部にかかる圧力が分散され、頭のかたちが変化することがあります。

習慣の見直し

向きぐせが原因となっている場合には、ご家庭で取り組める工夫をご案内します。
例えば、

  • 寝る向きを適度に変える
  • 抱っこの向きを意識して変える
  • 起きている時間にうつぶせ遊び(タミータイム)を取り入れる
  • 向きぐせの改善につながる環境づくりを行う

など、お子さまの発達に合わせた方法をご説明します。
なお、安全のため、睡眠中はこれまでどおり「あおむけ寝」を続けることが大切です。頭のゆがみを理由に、睡眠中のうつぶせ寝を行うことはおすすめしていません。

ヘルメット治療

ヘルメット治療

中等度から重度の頭のゆがみがみられる場合や、自然な改善が期待しにくいと判断される場合には、頭蓋形状矯正ヘルメットによる治療をご提案します。
ヘルメットは、赤ちゃんの頭の成長を利用して、突出している部分の成長を妨げず、平らになっている部分へ成長を促すことで、頭全体のバランスを整えていく治療です。

一般的には、生後3~6か月頃から治療を開始すると効果が得られやすいとされていますが、適応となる月齢や治療期間は、お子さま一人ひとりで異なります。
当院では、診察や計測結果をもとに、ヘルメット治療が適しているかどうかを丁寧にご説明し、ご家族に十分ご理解いただいたうえで治療を進めてまいります。

ヘルメット治療について

ヘルメット治療について

ヘルメット治療は、赤ちゃんの頭蓋骨がやわらかく成長が活発な時期を利用して、頭のかたちを整えていく治療法です。

赤ちゃん専用に作製された医療用ヘルメットを装着することで、突出している部分には適度な余裕を持たせ、平らになっている部分には成長するためのスペースを確保します。
頭の自然な成長を妨げることなく、バランスのよい頭のかたちへ導くことを目的としています。
ヘルメット自体が頭を押して矯正するものではなく、赤ちゃんの成長する力を利用して改善を目指す治療です。

当院は「ベビーバンド」というヘルメットを導入しています。
ベビーバンドはスマートフォンのアプリと連携しており、治療状況の記録・確認がアプリで行えます。

ベビーバンド公式サイト

装着時間と治療期間

ヘルメットは、十分な治療効果を得るために、1日23時間、2~6か月程度の装着が基本となります。
入浴やヘルメットのお手入れの時間以外は装着していただき、定期的に頭の成長やフィット感を確認しながら治療を進めます。

料金

ヘルメットは、十分な治療効果を得るために、1日23時間、2~6か月程度の装着が基本となります。
入浴やヘルメットのお手入れの時間以外は装着していただき、定期的に頭の成長やフィット感を確認しながら治療を進めます。

初診料 保険適用
ヘルメット治療(当院かかりつけ患者様) 280,000円(税込)
  • 初診料には健康保険が適用されますが、ヘルメット治療は自費診療です。

治療の流れ

  1. ご予約・ご来院

    まずは、お電話またはWEB予約より「赤ちゃんの頭のかたち外来」をご予約ください。
    ご来院後は問診を行い、お子さまの成長や向きぐせ、ご家族が気になっていることなどを詳しくお伺いします。

  2. 診察・頭のかたちの評価

    医師が頭のかたちや左右差、耳の位置、向きぐせの有無などを診察します。
    必要に応じて頭部の計測を行い、頭のゆがみの程度を客観的に評価します。
    また、病気が原因となる頭蓋変形ではないかについても確認し、必要があれば適切な医療機関をご案内します。

  3. 治療方針のご説明

    診察結果をもとに、お子さまに適した対応をご提案します。
    軽度の場合は経過観察や生活上の工夫をご案内し、ヘルメット治療が適していると判断した場合には、治療の内容や期待できる効果、治療期間、費用などについて詳しくご説明します。

  4. ヘルメットの作製

    ヘルメット治療を希望される場合は、お子さまの頭のかたちを専用の機器で計測し、一人ひとりに合わせたヘルメットを作製します。
    完成までには一定の期間を要します。詳しい日程は診察時にご案内いたします。

  5. 治療開始

    ヘルメットが完成したら装着方法やお手入れの方法、装着時間などをご説明し、治療を開始します。
    治療開始直後は、お子さまの様子を確認しながら徐々に装着時間を延ばしていきます。
    ご家庭でも無理なく継続できるようサポートいたします。

  6. 定期受診・経過確認

    治療期間中は定期的にご来院いただき、頭のかたちの変化やヘルメットの適合状態を確認します。
    赤ちゃんの成長に合わせて必要な調整を行いながら、安全かつ効果的に治療を進めます。
    装着中のお困りごとやご不安な点についても、お気軽にご相談ください。

  7. 治療終了

    頭のかたちが目標とする状態まで改善し、治療の終了時期と判断したらヘルメット治療を終了します。
    治療期間には個人差がありますが、お子さまの成長に合わせて無理のない治療計画をご提案いたします。

注意点

  • 頭のゆがみの程度や治療開始時の月齢、頭の成長速度などによって、改善の程度や治療期間には個人差があります。また、治療開始が遅くなるほど頭蓋骨の成長が緩やかになるため、期待できる改善の程度が限られる場合があります。
  • 十分な治療効果を得るためには、医師の指示に従ってヘルメットを装着することが重要です。装着時間が短い場合や、継続が難しい場合には、十分な効果が得られないことがあります。
  • ヘルメットを長時間装着するため、一時的に皮膚の赤みや汗による蒸れ、湿疹、かぶれなどがみられることがあります。多くはヘルメットの調整やスキンケアによって改善しますが、症状が続く場合には無理に装着を続けず、当院へご相談ください。
  • 赤ちゃんは短期間で頭の大きさが変化するため、治療中は定期的な診察とヘルメットの調整が必要です。
  • 頭のゆがみの原因や程度によっては、ヘルメット治療の適応とならない場合があります。また、ごくまれに頭蓋縫合早期癒合症など、専門的な検査や治療が必要な病気が原因となっていることがあります。その場合は、必要に応じて専門医療機関をご紹介いたします。